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紳士の手に馴染む革製品vol21

紳士の手に馴染む革製品

ネクタイやマフラーで世界的に知られる英国ブランドであるDrake’sと、GANZOのコラボレーションが実現した。Drake’sのクリエイティブディレクターであるMichael Hill氏へ、コラボレーションに至る経緯や、物作りへの想いを伺った。

About Drake’s

Drake’sのコンセプトは?
Drake’sには40年の歴史があります。初めの頃はマフラーを作り、時間をかけて確実にそのクオリティが定評を得るようになります。やがてネクタイやポケットチーフも加わって、今ではこの二つがDrake’sの代表アイテムとして最もよく知られるようになっています。近年は、ブランド名へ対するよりしっかりとした定義付けを行うことと、製品ラインを拡大することに力を入れています。そのため、サマセットにある自社工場で製造する英国スタイルのシャツだけでなく、イタリア製の仕立物も販売するようになっています。Drake’sの中心にある考えは、リラックスしたエレガントさのようなものを伝え、製造において最高の品質を追求することです。
日本へ進出しようと思ったきっかけは?
日本は長年の間、Drake’sにとって大切な市場でした。日本人は本物の職人技、とりわけ伝統的な英国工芸を深く重んじ、Drake’sはまさにその期待に沿うことができるブランドです。私たちの日本における卸売りルートは既に十分築き上げられていますが、やはり自分たちだけのささやかなスペースをどこかに置きたいという思いはありました。そこへ、東京に新しくできたGINZA SIXで店舗をオープンする機会に恵まれ、すぐに飛びつきました。

About GANZO Collaboration

About GANZO Collaboration
GANZOの印象はいかがですか?
私たちのような仕事をしていると、クオリティというのは見ただけでわかるようになります。GANZOの高いスタンダードは、製品自体が表しています。その技術は長い年月をかけて発達し、磨き上げられたブランドであり、そうしたものに私たちは高い敬意を払っています。
ロンドンの人々は、日本の革製品ブランドに対してどのような印象を持っているのでしょうか?
高品質の革製品というと、真っ先に思い浮かぶのが日本というわけではないでしょうけれど、最近ではそれも確実に変化しています。英国では、地理的に近いということもあり、市場にはイタリア製の革製品があふれています。その多くは極めて高品質ですが、日本のブランドは、多少目立つという利点があります。「伝統的な技」と「物作り」へ対する日本人の姿勢はこちらでも有名ですので、「Made in Japan」の印は高い品質を意味するものとして急速に認められるようになっていると思います。
なぜGANZOとのコラボレーションを決めたのでしょうか?
私たちは、販売する製品のほとんどを自社工場で製造できるという点で恵まれていますが、自社製造できないものがあれば、できる限り最高のメーカーと協力したいと考えています。GANZOはその点で最適です。日本の革製品メーカーとのコラボは、イタリアや英国の会社とのコラボよりも珍しく、当たり前のことではないでしょう。GANZOなら、他のブランドにはできない何かを持ち込めると考えたのです。
GANZOとDrake’sに共通するものは「Gentleman」であると、私たちは考えています。「Gentleman」という言葉は、Drake’sにとって何を意味するのでしょうか?
「Gentleman」というコンセプトは、とても英国らしいアイディアだと思います。私たちは、英国という独特な個性をあらゆる面で維持しようと努めています。私たちにとってそれは、スタイリッシュであり洗練されつつ、軽やかでちょっとした遊び心も残しておくもの。ボタンを全て留めるのではなく、まじめになり過ぎず、比較的軽い装いも保つという意味も含んでいます。

About Mughal patterns

ムガル柄の歴史背景と物語について教えてください。
ムガル芸術とはインド発祥で、16~18世紀に栄えたムガル帝国時代の伝統芸術です。極東とそしてヨーロッパからの流れをくむビジュアルスタイルです。一般的に、非常に様式的で非常に精巧な場面で用いられ、布地にプリントするのに適しています。
デザインにはどのようなメッセージが込められているのでしょうか。
私たちは大変高い才能を持つ専属デザインチームを抱え、彼らが各コレクションを形作っています。興味深さを失うことなく、何かクラシックなものを提供する、所蔵の豊富なデザイン・アーカイブを活用しながらも、新しい要素を常に取り込むことが、私たちにとって重要なことです
他にどのようなアイテムにムガル模様を使っていますか?
ムガル模様は、Drake’sの代表的な模様として長年愛用され、ポケットチーフやマフラーに長いこと使われてきました。ウールシャーリーのネクタイにムガル模様を取り入れたのは、今シーズンが初めてです。

About Leather Products

Hill氏にとって、革製品とは?
既に申し上げたように、Drake’sの土台にあるものは職人技です。私たちの職人は大変高いスキルを持ち、彼らなしには今のような優れた製品を作ることはできなかったでしょう。皮革工芸も同じように、極めて高いレベルの努力、忍耐、正確性を必要とする技術です。こうした技能が評価され、次の世代に伝えられることはとても重要です。そうでなければ、このような素晴らしい製品を大量に生産する手段を持つことはできないでしょう。

About Michael Hill

1977年、マイケル・ドレイクによりロンドンにて創業したドレイクスの現クリエイティブ・ディレクター。 ネクタイ職人である父親の影響もあり、幼少の頃からもの作りの道へ歩みたいと考えていた。アクアスキュータムでデザイナーとして活躍し、小物やアクセサリーなど、コート以外の企画を立ち上げたプランナーとしても知られる。そのデザインはトラディショナルかつエレガントでブリティッシュの新しい方向が伺える。

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