GANZO TIMES

GANZO TIMES VOL.10
TOOLS FOR THE MODERN MAN

「カプセル・ワードローブ」とは、70年代にロンドンのファッションシーンから生まれたコンセプトだった。

本来は、常に変化していくトレンド、巷に溢れかえる情報からの解放という意味合いを持っていたというが、現在においてはワードローブを最小限にするための断捨離法を指南していることも少なくない。


減らすこと以前に、トレンドに左右されることなくマイペースに付き合っていけるモノと出合い、“いい関係” が築けてこそ、本当の意味で情報の波から自由になれると言えるのだろう。


〈GANZO〉は、時代とともに絶え間なく変化していくライフスタイルを捉え、その時々で最も必要とされる革製品であるためのアップデートを続けてきた。その数あるラインナップの中でも、特に世代も性別も超えたタイムレスなアイテムの一部をここで紹介したい。

  • フレンチカーフ トートバッグ MとL

    「フレンチカーフ」トートバッグ M / L

    世界最高峰と評されるフランス・デュプイ社のシュリンクカーフを採用した「フレンチカーフ」トートバッグ。


    ふっくらと上品なシボ、しっとりとした手触りが特徴的である一方で、しっかりとマチのついた収納力とバラエティある内装ポケットといった機能面も充実している。

    馴染みあるトートのフォルムはオン・オフを問わず、またジェンダーをも選ばないアイテムである。

  • 「コードバン」シリーズの財布

    「コードバン」シリーズの財布

    〈GANZO〉創業当初から手掛けてきた「コードバン」シリーズの財布3型。


    国産コードバン(馬革)に、手間のかかる水染とオイルグレーシングフィニッシュを施し、内装にはソフトな牛ヌメ革を合わせている。職人技が光る切り目本磨きで仕上げたコバも美しく、耐久性の高いコードバンは、使うほどに独特の光沢感が現れてくるのも特徴的だ。

    王道の長財布は、「オールインワンで収めたい」という声に応え、ファスナーと小銭入れ付きに。マチを薄くすることで、スーツの胸ポケットにすっきりと収まるフォルムに仕上げた。

    二つ折り財布は、約10cm四方でカード、小銭、札までが収まるように設計。コードバンの頑丈な特性が生かされた小銭入れも、内装に牛ヌメ革を使うことで快適な開閉にこだわった。

  • コードバン」サッチェルバッグ

    「コードバン」サッチェルバッグ

    2024年には、イギリスの伝統的な学生鞄をオマージュした大人のための至高のバッグが限定受注生産で展開される。


    希少なコードバンを贅沢に全面に使用しつつ、カブセ口元には金属の尾錠ではなくマグネットロックを採用するなど、より使いやすく改良している。

  • 「エイボン」丸胴ブリーフケース

    「エイボン」丸胴ブリーフケース

    ビジネスバッグとしての機能をとことん追求した「エイボン」丸胴ブリーフケースは、英国の老舗トーマスウェア社の剛健なブライドルレザーを内外装に贅沢に使用。PCやタブレットを収納しても型崩れしづらく、様々な用途に対応する複数のポケット、キーストラップなどの能性を備えている。


    そして、スペインの名門タンナーであるリバ・キシャ社の染料仕上げラムスキンを全面に使用した「ぺコラ」巾着Lも、マチをつけることで収納性を高め、ディアスエード調の内装が収納品をしっかりとカバー。ハリのある革が使い込むほど馴染んでいくプロセスが存分に楽しめるだろう。

山の上ホテル

GANZO TIMESの撮影が行われたのは、東京にある山の上ホテル。
ホテルのシンボルとも言えるアールデコ様式が特徴の建物で、1954年、ホテルとしての営業が開始されました。


川端康成さん、三島由紀夫さん、池波正太郎さんをはじめ数多くの作家の方々に愛され、「文化人のホテル」としても知られます。

MAN & TOOL: J.B. BRAUD

いま一度、レザーアイテムの魅力や本質について考えたい。

話をきいたのは、フランス人の映像作家、J.B. ブロー氏。

昨年には〈GANZO〉の映像作品も手掛けてくれ、それ以来〈GANZO〉のアイテムを愛用しているそう。ブロー氏にとっての良いレザーの基準とは?

J.B. ブロー

フランス出身であり、現在はLAと東京を拠点にしている映像作家。フランスのテレビ局「Canal+」でプロデューサーを経て、フランスや日本にてドキュメンタリーを撮り始める。

コマーシャル分野でも活躍しており、アップル社のiPhoneシリーズや、コカ・コーラ社のクリスマス映画シリーズなども手がけている。2023年には〈GANZO〉の短編映像の監督を務めた。

〈GANZO〉を知ったきっかけはなんですか?

『Pen』という雑誌で知りました。

〈GANZO〉というブランドについての印象や思い入れを教えて頂けますでしょうか?

“Echoes of Time” というテーマで3編のショートフィルムを作成しました。映像作品というメディアを通して記憶や体験の移り変わりを探求しようというシリーズです。〈GANZO〉のアイテムが持つ時代を超越した魅力を視覚化させることを目的に制作しました。

今回作った映像作品について教えてください。

〈GANZO〉は、トレンドに左右されることのない普遍的なデザイン性が支持されている、個性の強いブランドだと思います。そういったところにインスパイアされています。

今回作った映像作品の撮影でもっとも記憶に残っているエピソードを教えてください。

今回の映像製作はトライアンドエラーの繰り返しでした。実は“時間”というコンセプトは〈GANZO〉の商品を扱いながら思いついたものです。私を含め、チームの皆がどのアイテムを見ても新品かヴィンテージかどうか区別がつかず、それがきっかけでアイデアが湧いてきました。

今回作った映像作品においてよりこだわったところはどこですか?

〈GANZO〉の商品が精密に作られているのと同じように、ありとあらゆる細部に意識を向けて映像を製作しました。

〈GANZO〉のどのアイテムを愛用しておりますか?

特に思い入れがあって大好きなのが、財布です。バッグもユニークで、メンズのアイテムには珍しいデザインです。とても便利で毎日使っています。

レザー製品の面白さや魅力はどこにあると思いますか?

職人技が成せる緻密さ、そして上品さが魅力的で、時間が経てばたつほど成熟していき、より美しさが増すところが気に入っています。真の高品質とはこのことだと思います。

ご自身の職業柄、〈GANZO〉にどんなアイテムがあれば嬉しいですか?

撮影ツール、カメラとレンズ用の小さめのバッグですね。

「古いものを大切にする」という〈GANZO〉の考え方についてはどう思われますか?

〈GANZO〉のそういった考え方は私にとってとても重要であって、日本には未だに残っていますが、残念ながら西洋では失われていると思っています。

映像作品を作る上で最も大切にしていることはなんでしょうか?

明確なビジョンを持つことです。

Producer: Shun SATO (loosejoints) / Photographer: Katsumi OMORI / Art Director, Designer: Shinji MIZOGUCHI (lush)
Editor: Sohei OSHIRO (CHIASMA) /Writer: Eri ISHIDA / Translator: Leandro Di Rosa
Printing: Kiso Printing Co.,Ltd / Cooperation.: HILLTOP HOTEL / Publisher: GANZO

フリーマガジン誌“GANZO TIMES VOL.10”より一部抜粋。
詳細はオンラインストア、直営店配布の“GANZO TIMES VOL.10”をご覧ください。
GANZO TIMES VOL.10はこちら

SHORT FILM

Life is Timeless

時とともにプロダクトに刻まれる傷やシワは豊かに生きた軌跡となる。
人と革の美しき物語を描いた3つのエピソード。

  • 再生する

    第一章「THE LOVE BOND」

  • 再生する

    第二章「THE FAMILY BOND」

  • 再生する

    第三章「THE FRIEND BOND」

STORY

過去と未来をつなぐ物語

ショートフィルム『Life is Timeless』でフォーカスしたのは、GANZOのアイデンティティでもある“エイジングの力”。時とともにプロダクトに刻まれる傷やシワは豊かに生きた軌跡であり、人によってその表情もさまざま。恋人、友人、親子という関係性の異なる3つのエピソードを通して、人と革の美しき物語を描いた。


風鈴、グラスの中のスプーン、点滅するランプといった不可思議な動きは、時空に縛られない記憶の曖昧さを表したもの。過去と未来へ旅し、自分自身と対面するきっかけとして描かれた。

そして、人生における何気なくも幸せな瞬間をとらえたいずれのエピソードにも、現在と過去の自分、そしてエイジング後と新品当時のプロダクトが登場する。その対照性を通して『Life is Timeless』が伝えるのは、日常の連続性と、自分自身の投影ともいえる革製品の尊さだ。

Archives

MORE

Magazine

to TOP