CORDOVAN —
Tannage’s section姫路が世界に誇る革
こだわりと歴史のCORDOVAN
コードバンとは、馬の尻部分にある厚さ1mmの緻密な繊維のコードバン層を革の裏側から削り出したものになります。1頭あたりに採取できる量も限られ、希少性が高いのが特徴です。強度を持った頑丈な馬皮で、美しい艶からとても人気のあるコードバン。播州平野の気候風土と革の性質に合った川の水という環境のもと、江戸時代前期頃から姫路白なめしが生まれ、姫路は皮革産業地区として栄えてきました。兜や甲冑など身を守る戦具から、身につける小物へと革の用途も移行していきながら、現在も多くの革のタンナーやメーカーのあるここ姫路に、GANZOのコードバンのタンナー −創業60年を超える老舗・新喜皮革はあります。その技術は高く評価され、世界屈指の馬革のタンナーとして知られています。そんな歴史ある土地で新喜皮革は研鑽を重ね、35年程前からコードバンの生産を始めました。ランドセルや財布などの製品になるコードバン革がここで生まれるのです。
コードバンが出来るまで—製造工程
こだわりの製造
新喜皮革では約10ヶ月間、丹精込めてコードバンを仕上げていきます。原皮選びから鞣しまで一切の妥協を許しません。そのこだわりが独特の光沢と重厚な質感を生み出します。姫路が世界に誇る繊細な皮革職人のなせる技です。
- 1. 原皮
- ヨーロッパの農耕・食肉用の馬の原皮を素材にしています。その馬の原皮をコードバンに加工するのです。コードバン層とは、馬のお尻部分にある厚さ1mmの緻密な繊維層のこと。厳選された原皮は腐らないよう塩漬けで輸入されてきます。
- 2. 原皮処理と前鞣し
- 塩漬けの塩や血肉を洗い流し、毛を除毛。塩分と脂肪分を取り除きます。その後、裁断されたコードバンのある下半身の皮を、ドラムと呼ばれる洗浄装置で約2日間かけて洗浄します。鞣し剤と繊維が接合しやすいように、タンニン鞣しの前処理を施します。
- 3. タンニン鞣し
- タンニンの鞣し剤が入ったピット槽と呼ばれる木製の樽に漬け込みます。鞣し剤の濃度の異なるピット槽に入れることで、繊維間に鞣し剤を馴染ませていきます。この鞣し作業だけで約1ヶ月。“腐る皮”から“腐らない革”にするために必要な工程です。
- 4. 乾燥
- 不要な部分が切り落とされた皮を、1枚ずつフックに吊るし、空気にさらしながら約10日間乾燥させます。さらに布を被せ、3~4ヶ月寝かせ熟成させます。こうすることによって、タンニンが馴染み、革が柔らかくなります。この工程によって自然なエイジングが実現します。
コードバンの魅力
革は非常にデリケートです。季節の変わり目には、温度の調節に気を配りながら丁寧に製造をしています。先を見越した原皮の仕入れや、次の工程を考慮した上で作業を行います。こうした手間を惜しまずに作られるコードバンは扱いやすく、柔らかい布などで乾拭きにて拭き上げるだけでも十分な艶がでます。
モノづくりの姿勢
姫路という町に脈々と続いてきた革鞣しの歴史と、新喜皮革のチャレンジスピリット、創意工夫が重なり合うことで、世界にも類を見ないオリジナルの革が生み出されてきたのです。その技術の粋を集めた革鞣しによって作られる姫路のコードバンは、GANZOをはじめとした多くのブランドに愛され、世界の革製品好きから高い人気を得ています。