鮮やかな天然藍の魅力に惚れて、
香川の本藍染工房へ
藍は徳島県の阿波藍がルーツとされています。「JAPAN BLUE」とも呼ばれ、蒼に赤味がかった紫色に近い蒼色に仕上がるのが阿波藍の特徴です。藍液を作る際も温度管理が難しく、その時の季節や温度によっても藍の表情が変わり染色の難しさが伺えます。一方、仕上がったときの一点一点異なる表情がまた藍染の良いところです。
今回、本物の天然藍を求めて「藍師」「染師」の技術を持つ堀尾早敏氏に藍染依頼をお願いしました。徳島県板野郡上板町で修行を積み、現在は香川県さぬき市津田町に設立した工房Khimairaで活動しています。
堀尾氏は、天然素材のみを用いて藍を染める「天然灰汁醗酵建て」と言われる伝統的な染色技法を採用しています。藍染の染料である蒅(すくも)は徳島県産のものを使用し、そこにふすま(小麦の殻)、消石灰、灰汁を加え、化学的な物を一切使わない天然の染料を作ります。自然醗酵だけで色をつくり上げていく、古来からの技術を現代でも活用してものづくりをおこなっているのです。
藍づくりとは
はじめに植物の「藍」の葉を発酵させた染料「蒅(すくも)」を作る工程から始まります。「藍師」と呼ばれる職人が夏に藍の葉を刈り取り乾燥し、秋に「寝せ込み」という発酵作業をおこないます。5日~1週間に1度の頻度で水をかけながらかき混ぜて、70~80℃の温度を保ちながら発酵を進め、100日間かけて「すくも」をつくります。
「すくも」ができた後、石灰・ふすま・灰汁を混ぜて「藍液」をつくる工程を「染師」がおこないます。混ぜる際にできる表面にぶくぶくと出てくる泡は「藍の花」と呼ばれ、発酵するために微生物が中で生きています。この状態なら染めて大丈夫という印でもあります。多くの染色には高温と薬品や鉱物によって繊維を染めるというイメージがありますが「藍」は微生物の力を借りて染めます。「藍液」を作るまでの過程に加え、作って長持ちさせるのにも技術が必要とされます。染めれば染めるほど微生物が少なくなるので、再び餌となるふすまを加えて藍液を育てます。さらに、好みの染色には技術は勿論、「知識」と「経験」がなくてはできません。藍染の色は名前がついているもので48色、色自体は100色以上あると言われています。これらの作業の積み重ねが「藍染」なのだと思います。
GANZO藍染レザーを開発
藍の染料は荒く染色の基となる革の厚み、クロム・タンニンなど鞣し方によっても上手く浸透せず発色の良い藍に仕上がりません。また藍液の入ったステンレス層の中は肌の弱い人には手が荒れてしまう程の強アルカリ性のため時間と回数を重ねるごとに革が収縮し硬さが出てきてしまいます。製作過程のなかで5種類ほどの厚みと鞣しの違った真っ白な状態のクラストを用意し、試行錯誤して出来上がったのがGANZO用の藍染レザー。
クラスト自体も一枚一枚個体差があり同じ藍色に合わせるのが難しいのですが、堀尾氏は出来るだけ布を染める感覚で染めていくことにこだわったと言います。完成した藍染の革は柔らかさを保ちながら発色のよい綺麗な蒼に染まり、その色合いは風合いと共に完成度の高い仕上がりとなりました。
POP UP STORE
特別コラボレーションアイテム
SACCHETTO2 藍染ポーチ
徳島県産の蒅(すくも)を使用し『天然灰汁発酵建て』と言われる伝統的な染色技法で仕上げた革を使用。二つとない藍の色合い、染色した際の風合いなど、天然藍にしかない独特な質感を堪能できる商品となっています。
「青い羊 for Vintage Lovers」にて開催されるGANZO POP UPで店頭に並びます。
※当社オンラインショップでのお取り扱いは未定となります。



