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GANZO TIMES VOL.06vol36

GANZO TIMES VOL.06
TOOLS FOR THE GENTLEMAN 紳士のための道具

松尾芭蕉は『奥の細道』でこう書いている。「月日は百代の過客にして行かふ年も又旅人也」(月日は永遠の旅人であり、やって来ては過ぎ去っていく年もまた旅人のようである)──。シワ、深みを増していく色味。経年変化を重ねた革製品には「月日という過客」の足跡が刻まれている。所有者とともに重ねた轍に、一つとして同じものはない。

MAN & TOOL:HARUOMI HOSONO

デビューから50年。戦後日本のポップ・ミュージック界をけん引してきた細野晴臣さんが、
GANZOのショップにやってきた。用件はオーダーメイドのバッグ製作でした。
細野晴臣
1947年東京生まれ。音楽家。1969年「エイプリル・フール」でデビュー。
70年「はっぴいえんど」結成。78年「イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)」を結成。
YMO散開後も作曲・プロデュースなど多岐にわたり活動。
Interview:Sho KOYAMA
Photography:Shota MATSUMOTO

どんなバッグがご希望ですか?

新しいショルダーバッグですね。以前使っていたバッグは収納力にも優れていて、割と何でも入りました。ただし、使い勝手がいいばかりに酷使してしまって、痛めてしまいました。自分は外出するとき、バッグを持っていないと不安になるほどなんです。手ぶらだと外を歩けない人間で、何も持たないで海外旅行をしている人を見て、びっくりしたことがあります。

ということは、耐久性に秀でたバッグがご希望なんですね。

はい。ただし、重量は軽いものがよいですね。バッグが重いと肩こりになってしまうので。

理想の素材、形状はありますか?

素材はやわらかく艶感のあるレザーが好みですね。布製のバッグはどうやら好みではないようで、いつもレザーのものを選んできました。形状は、前に使っていたものが半月型のものでした。こう、扇型のものです。身体にフィットして使い勝手がよかったので、気に入っていました。バッグを開けたときに、中に入っているものがきちんと仕切られているといいですね。中身が一目瞭然だと使いやすい。

中身が散らかっていると、気になりますものね。

小さなものの収納がうまくいくと、なおよいですね。携帯電話や鍵をどこにしまったらベストなのか、迷うことが多いもので……ところで話は脱線しますが、自分はバッグをなくす夢を見ることがあるんですよ。

それはなんでしょうね。

自分の脳に、必要以上の情報を入れたくないので、外付けの何かに保存しておきたい、というのがあるんです。たとえばパソコンがそうですけど、自分の情報をかなり入れちゃったりしています。なので、それがクラッシュしたときのことを想像するとゾッとします。……そういったことが関係しているのかもしれませんね。それなりに長く生きていると、記憶の滓というか、情報がたまっていく一方なので、たまに頭のなかにあるものを全部出して掃除したくなりますね。もう、忘れてはいけないことだけ残っていればいいかなと。

STAFF PICKS

クラシックダレス

米アイゼンハワー政権下で国務長官を務めたのが、ジョン・フォスター・ダレスその人だ。1951年に条約締結のため来日をしたダレスが手に携えていたものが「口金式鞄」で、これが日本で製造されるようになると紳士の間で「ダレスバッグ」と呼ばれ、憧れのアイテムになったのだった。GANZO がこだわったのは口金のパーツだ。革をいったん巻いた状態から手作業で曲げの工程を行った。ハンドル部分は握りやすく、堅牢なつくりに仕上げた。素材はステアと呼ばれる、去勢された成牛のショルダーレザーを使う。使いこむほどにツヤを増し、味わい深い色味の変化を見せる。
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ラグビー ショルダーバッグ

2019年は日本代表の大躍進でラグビー人気が沸騰した。GANZOはラグビーボールを模したショルダーバッグを製作。旧型のラグビーボールにあった縫い目を再現し、ラグビーの持つ長い歴史にオマージュをささげた。素材は肉厚でありながらしなやかな、飛騨牛のレザーを使った。ショルダーベルトは伸縮可。身体にフィットした使い方ができる。なお、ラグビーボールとして使うことはできないので、用途でお間違えのないよう。
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ナリア 2Way リュック

現代人は歩きながらスマートフォンを操作し、自転車にまたがることもある。ライフスタイルの変化を背景に、両手を自由にできるリュックサックのニーズは高まるばかりだ。とはいえ、スーツに合わせることを考えればカジュアル過ぎてもいけない。その点、この「ナリア2Way リュック」は飛騨牛のヌメ革と伊リモンタ社製のナイロン生地をかけあわせ、モダンでドレッシーなビジュアルを実現している。側面のハンドルで、ブリーフケースとして使うこともできる2Way仕様になっている。
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ミスティック2つ折財布

キャッシュレスの流れが加速している。とはいえ、電子マネーはどのお店でも使えるわけではない。まだまだ現金は必要だし、カード類がよく収まり、長い時間を一緒に過ごしても飽きのこない財布が欲しいものだ。GANZOの制作した財布は2つ折り。コイン入れもついている。素材はホーウィン社のオイルドレザーを使い、職人の手で限りなく薄く仕上げている。コンパクトで軽い財布は、電子マネーと現金を併用する時流を捉えている。
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ミネルバナチュラル iPhoneケース

現代人が1日でもっともたくさん触れる道具は何か。それはスマートフォンだろう。毎日触れるものだからこそ上質な素材を使ったケースが欲しい。GANZOのiPhoneケースに新色ブラックが登場した。素材は、表情豊かな伊バダラッシィ・カルロ社のミネルバボックスレザーを使っている。
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