BRIDLE LEATHER耐久性と耐水性にすぐれたブライドルレザーのつくり
GANZOのブライドル
GANZOでは、伝統ある技術と製法を今も守る英国J&E セジュイック社のブライドルレザーを素材に製品が作られます。
革の特徴は革の表面にワックスを擦り込むことで浮かびあがる「ブルーム」というブライドルレザー特有の白い粉。伝統的な製法で作られる素材を、日本の職人技術が活かせる縫製で使用しています。
まずはじめに馬具があった
ブライドルレザーとは「馬勒(ばろく)」と呼ばれる面繋(おもがい)、「ハミ」と呼ばれる馬のクツワ、手綱など馬の頭部につける馬具の総称です。そこに端を発し、馬具用に使用される「ロウ引き加工された革」のことをブライドルレザーと呼ぶようになりました。
英国の風土より生まれた
伝統製法を守りながら
ブライドルレザーは、14世紀頃に英国で騎手や貴族のために作られました。「ロウ引き加工された革」を使う理由は、雨が多い英国の気候や馬の汗・唾液で革の耐性が弱くなるのを防ぐためでした。現在のように一般的なファッションに取り入れられたのはここ数十年のこと。
約18週間もの手間と時間を要する作業ということもあり、最近では伝統あるブライドルレザーの製法も珍しくなってきています。GANZOでは古くから受け継がれた伝統的な製法で作られたブライドルレザーを使用しています。
強くしなやかに、そして美しく
元々馬を拘束する手綱などのために作られているので、引っぱり強度が強いことが重要です。革はオイルを入れると柔らかくなります。ブライドルは革自体が固くなくてはいけませんが、だからといって油分を抜いてしまえば革は割れてしまいます。
そこで革の表面だけにオイルを塗り込むことで表面はしなやかに、皮下の繊維の粗い部分はそのまま残して強度を保ちます。ロウの成分を入れているので柔らかさも保ちながら防水加工の役割も果たしています。
時間を掛けて鞣すことで
生み出される革の深み
通称「太鼓」と呼ばれるオーク材でできた鞣す機械でタンニン鞣しを施していきます。
製法の名称どおり、鞣す際に使用されるのが植物タンニン剤です。
ブライドルレザーでは種類豊富な植物タンニン剤の中でも固く仕上がる「オーク」を使って鞣していきます。
タンナーの仕事 | カリイング | バフィング |
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革を鞣す職人をタンナーといいます。染色もタンナーによる手作業です。スポンジに染み込ませた染料を、ムラが出ないよう塗っていくことで革に深みを持たせます。この作業をくりかえした後、さらに牛脂とタラの油と蜜蝋をブレンドしたワックスをブラシで何度も革に染込ませていきます。時期によって蜜蝋の配分を替えたりしながらブライドルの特徴である「ブルーム」を浮き上がらせ、独特の質感を演出します。 | 革の鞣しを仕上げる職人をカリヤーといいます。立体的な牛の革の表面を真っ平らにしていくのがカリヤーの仕事です。カリヤーはスリッカーと呼ばれる道具を使って革を伸ばし、表皮を取り除き真皮と呼ばれる革を出していきます。 | カリイングの後、革の表面を擦っていくバフィングを行います。擦りすぎると毛羽立って「ヌバック」のようになり銀面がなくなるので革自体が弱くなってしまいます。かといって擦らなければオイルや染料が浸透していきません。革を真っ平らにした後は、サンドペーパーなどで丹念に微調整を繰り返しながら革を仕上げていきます。 |
枯れた技術を今に活かす製法
ブライドルレザーは、革自体に強度があり、かつオイルを染込ませているので、へり返しの製法で作ろうとするとノリ付きが悪く縫製的に向いていません。せっかくの上質な革を使うのなら、一番革に合った縫製と言う事でGANZOでは、切り目仕上げを採用しています。
革の裁断面であるコバを本磨きで仕上げることで職人技が光ります。GANZOの製品では、裏地にも本革を使いコバを更に磨き上げています。昔からの技術を取り入れることでGANZOの個性を際立たせています。
細部へのこだわりが製品に息吹を与える
GANZOの財布は横からみると流線型のように美しく纏まっています。このフォルムを出すために職人は型紙を起こし、革の繊維を見ながら素材を裁断し、ブライドルの弾力を読みながら革漉きをします。
このような職人の技術とこだわりが、GANZOの神髄です。
人の温もりで生い育つレザー
ブライドルレザーは経年変化のよくわかる素材。ヌメ革などと違ってワックスやオイルが元々、多く含んでいる素材なので、毎日使っているだけで、ワックスとオイルが革に馴染み艶がまし、更にしっとりした風合いが出るのです。
長くつきあうことで変わる表情
革の表面に染み出した「ブルーム」と呼ばれる白い粉がブライドルレザーの最大の特徴。「ブルーム」が革に馴染み、味わい深い経年変化をお楽 しみいただけます。
ブライドルレザーの製品は、実際に使っていくうちに表情の変化が出てきます。他の革製品よりも持ちのよい革ということもあり、長くご愛用いただけます。
デイリーケア
元々オイルやワックスが入っているので使っていると手油などが補足されながら長い間ツヤを保つ事ができます。天然繊維の布やブラシで乾拭きをしてあげるだけで、ワックスが必要な部分に浸透して行くので、あまり手間をかけずにツヤを引き出すことができます。