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【GANZO本店】革を求めて~エキゾチックレザー編~

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いつもGANZOをご利用いただき誠にありがとうございます。

 

突然ですが、皆さんは”エキゾチックレザー”と言われると何を想像されるでしょうか。

トカゲやダチョウ、エイやサメ、アザラシなど普段革製品としてみる事よりも、動物園や水族館で見かける割合の方が多かったりします。
その中でも代表的な動物として挙げられるのが『クロコダイル』だと思います。

 

現代においてはたくさんの素材やプロダクト、ブランドといった選択肢がある中で、私たちがクロコダイルレザーと聞くと‟高級” ‟派手” ‟とっつきにくい”といったイメージが少なからずある方も多いかと思います。
実はこの考え方は日本と海外では少し異なるようで、海外では前述のような社会的イメージよりかは、クロコダイルはあらゆる素材の中の1素材としての認識が強く、好きか嫌いかという考え方であることがほとんどだそうです。

 

もちろん、‟高級な革”であることは間違いないのですが、その高価格の理由としてクロコダイル原皮の不安定な供給環境にあります。現在はワシントン条約により取引が厳しく規制されており、大多数が養殖施設において育てられたクロコダイルが多いのです。しかし養殖と言ってもケンカ等で傷が付きやすく革として扱えなくなってしまうものも多く、そもそもが危険なので管理する上でお金がかかることが要因として挙げられます。

 

GANZOにおいてもクロコダイル商品の入荷がなかなかない為、お待たせしてしまっている場面や「そもそもGANZOでクロコダイルやってたんだ」とお声を頂くこともしばしばございます。
そのようなこともあり、本店では、‟だからこそクロコダイルにフォーカスしてみよう”ということで今回ブログを書かせていただきました。

 

 

先日国内有数のエキゾチックレザータンナーで1963年創業の『山本工業』さんに行かせていただいたので、クロコダイルについて少しおすそ分けさせていただきます。
タンナーと聞くと革を鞣す会社であって着色は異なる会社で行うことが多かったりもしますが、山本工業さんは鞣しから染色まで一貫して行っている為、お客さんの要望にあわせてレシピを変えることで理想の色やツヤ、質感を生み出せるようにされています。

 

 

 

こちらが塩漬け状態から約3ヵ月かけて鞣されたスモールクロコダイルのクラストレザーです。
ここからたくさんのオーダーに合わせた染色等の仕上げが施されていくそうです。

 

先程のヌメ革をこのようにドラムで染色していきます。

 

 


こちらが実際に染色された後のクロコダイルレザーです。
一見マット仕上げで完成のように感じますが、この後にバフ掛けという高速で回る綿やフェルトに当てて表面を滑らかにする作業を行います。
この作業をするだけで見違えるほどツヤが出てくるのです。

 

こちらがよく目にする、使う程に艶感が増す半ツヤ出しのクロコダイルレザーです。

約半年かけて塩漬け状態から鞣し、着色、仕上げを経て皮から革へと生まれ変わります。

 

ではここで実際にクロコダイルを鞣しているプロから見て‟クロコダイルの見分け方が何か”を、比較的よく選ばれることの多い‟ナイルクロコダイル”と‟スモールクロコダイル”について教えていただいたのでご紹介いたします。

 

まずはこちら

 

スモールクロコ ナイルクロコ写真

ぱっと見てどちらか分かりますでしょうか。

ヒント:脇腹の腑の形と名前に関係があります。

 

 

 

 

 

 

正解は1枚目右側のブラウンの革がスモールクロコダイル、左側グリーンの革がナイルクロコダイルです。

 

ヒントでお伝えした脇腹の腑と名前との関係ですが、スモールクロコダイルと呼ばれているのは単に体が小さいのではありません。

スモールクロコダイルはイリエワニ(学名:ポロサス)というワニで、現存する中では最大級と呼ばれています。

では何がスモールなのかというと、他のクロコダイルに比べ腑が小さく綺麗に揃っていることからそう呼ばれたと言われています。

ナイルクロコダイルは名の通りナイルワニ(学名:ニロティカス)というワニで、イリエワニより1回りほど小さいですが、腑を比べると少し大きいのが特徴です。

 

写真を見比べていただくと、スモールクロコダイルは脇腹にかけて小さく揃った長方形の腑になって行くのに対し、ナイルクロコダイルは脇腹の腑もそこまで大きさが変わらず楕円形の腑になっていることがポイントだそうです。

 

これ以外に何か見分け方があるかというと、実はお腹の部分を1枚革で見れば容易に見分けられるそうですが、尻尾や頭側などの部分的になってしまうとプロでも見分けることが困難だそうです。それだけではちゃんとした区別がつかないんじゃないかと思われる方もいらっしゃると思います。

 

 

あるんです。しっかりとしたものが、

 

 

この尻尾に付いたタグがれっきとしたクロコダイルを証明するものになるのです。

前述したようにクロコダイルはワシントン条約によって取引が制限されている為、取引される全てのクロコダイルレザーに管理用のタグが付いており、正規にやり取りが行われた証明でありスモールクロコダイルには学名のポロサスから‟POR”と刻印されており、ナイルクロコダイルは学名ニロティカスから‟NIL”と刻まれているのです。

実際にパターンオーダーでクロコダイルレザーを仕入れた際にもこのタグは付いてくると職人も言っていたので、製作のために革を仕入れる段階までこのタグは外されることはなくついたままという事になります。

 

 

閑話休題、クロコダイルレザーと言えば仕上げがたくさんある中で、先程の写真にもありました‟半ツヤ出しと綺麗なツヤ出しのどっちが良いのか!”

 

 

こちらは実際にお声をいただくこともございますが、「好みです」と言われてもつまらないかと思いますのでご説明いたします。

 

よくブランド等においても扱われるクロコダイルレザーですが、比較的ツヤ出しの仕上げが多いイメージがないでしょうか。

実は仕上げとしてとても手間がかかり、技術力の差が出ると言われているのがツヤ出し仕上げなのです。

 

半ツヤ出しの場合はバフ掛けをしますが、ツヤ出しの場合グレージングという工程が入ります。これはメノウという鉱物で革をこすり、革の表面を軽くやけどさせて滑らかにするという方法です。イメージとしては学生時代に廊下でスライディングした後に学生服が熱で溶けてツルツルになってしまうのと同じ考え方です。

この工程を複雑な形状の革で均一なツヤを出す必要があるので、まさに職人技という仕上げなのです。

また、技術力の差が出ると申し上げましたが、その違いは鞣しの段階までさかのぼります。山本工業さんでは仕上げごとで鞣す際に繊維の締め具合を変えるそうなのですが、革の繊維中の水分量が多いとツヤが出にくく、高温多湿の環境では向かないため工場環境を整える必要があるとのこと。

またお客さんの要望の色にグレージングする際には、この工程によって色がとても濃く変化してしまう為、着色の段階で完成を見越したより薄い色に染める必要があることも技術力に左右されてしまうのです。

 

では使っていく先のエイジングはどうなのかというと、半ツヤ出しの場合は使い込むほどに繊維が寝ていくのでツヤが増していくエイジングが一般的に多いです。

対してツヤ出しの場合は、使い始めから繊維が寝ているため高級感があり美しいですが、水分を吸ってしまうとくすみやすい特徴があるのでクリームやブラッシングといった定期的なお手入れが必要になります。

 

 

このように、エキゾチックレザーは非常に奥深く、知れば知るほど面白い素材だと、改めて今回の訪問を通して感じました。

 

 

最後に、、

 

エキゾチックレザーを使用した革小物は、動物本来の腑(模様)の表情によって、かなり印象が異なります。

例えばクロコダイルの場合、お腹で面取りするのか、尻尾で面取りするのか、はたまた顎下で面取りするのかによって、

‟製品として出来上がった際の佇まいがこれほど違うのか”と驚嘆することが多いです。

 

しかしながら既製品では、どの面で取るかはランダムであり、‟自分の理想の腑”に出会えるかどうかは、何とも難しい側面があります。

その一方で、パターンオーダーで使用するエキゾチックレザーの場合は、お客様から予めご要望をヒアリングした上で、

ご希望に沿った腑の個体をピックし、在庫があれば複数枚ご用意して、実際にお客様に選んで頂きます。

 

「どの個体で作ろうか」「どの部分で作ろうか」、実際に職人と打ち合わせしながら作るこのワクワク感は、言葉では言い表せません。

これこそがまさに、エキゾチックレザーを使用した‟パターンオーダーの醍醐味”ではないでしょうか?

 

 

加えて、現在本店に常駐しておりますオーダー職人は、GANZOで職人を続けて現在約20年になりますが、他の店舗からも職人がクロコダイルの財布の作り方を相談しにくるほどエキゾチックレザーを扱った革小物の製作に精通し、熟知しております。

 

オーダーメイドで唯一無二のアイテムを作ってみたいという方、是非今後の革選びの参考にしていただけたら幸いです。

 

 

皆様からのお問い合わせ・ご来店、心よりお待ち申し上げております。

 

GANZO本店
東京都渋谷区神宮前5-2-7
TEL 03-5774-6830
mail: ganzo@ajioka.jp
11:00 ~ 20:00


 

 

 

 

 

 

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