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GANZO × MIKITYPEvol30

GANZO × MIKITYPE 新進気鋭のカリグラファーが
GANZOロゴを再解釈

自分だけのオリジナルレザーアイテムを作ることができるパターンオーダー。今回、このオーダー刻印用の既存ロゴに新たなデザインとして華を添えるのはカリグラファー(西洋書道家)のMIKITYPE氏。革とカリグラファーという異色ともいえるコラボレーションの背景やデザインに込められた想いをご紹介します。

"パターンオーダーの世界観を広げたい"
というGANZOの想い

カリグラフィーのGANZOロゴ

GANZOでは店舗限定で展開するパターンオーダーが人気を集めている一方、さらにお客様に満足していただきたいという想いがありました。そこで着目したのがオーダーシステムの最後に刻印するロゴでした。既存のものに加えてさらに「世界観を広げたい」という想いのもと、近年、カリグラフィーの世界で注目を集めているMIKITYPE氏にデザインを依頼し、コラボレーションが実現。カリグラフィーとは2000年以上も前に生まれた歴史あるもので、「独特の美しい線でアルファベット文字を書き上げること」を意味します。手書きならではの美しい文字で表現されたロゴは、GANZOの新たな世界観を構築しています。

カリグラファーが表現する
「ganzo」の5文字

GANZOとのコラボレーションのお話があった時、率直にどう思われましたか?

これまで革に刻印加工をしたことがなく、個人的にもやってみたかったことなので、お話をいただいた時は素直に嬉しかったですね。これまで紙のエンボス加工はあるんですが、革だとまた風合いも違うと思うので、挑戦したかったんです。

革に文字が反映されるということは、カリグラフィーをする上で表現方法が変わるのでしょうか?

刻印をすることはアウトラインを押すことだと思うので、僕が文字を書く時は黒味のアウトラインを意識します。今回、文字のかすれなど細かな部分がどれだけ反映されるかにも意識して、線を表現しました。革の刻印は他の素材よりも肌触りを感じることができると思っています。

今回GANZOのロゴを再解釈するにあたり、どのように昇華していきましたか?

今の「GANZO」というロゴはクラシカルなローマン体なんですが、今回は自分が得意なブラックレターというドイツ文字で進めていきました。その書体を選んだ理由として、刻印する時にブラックレターが持つコントラストがうまく生かせると思ったんです。

ブラックレターという書体はどんな印象を与えるのでしょうか?

一般的にはシャープで力強さを感じられる文字ですね。そういう面ではGANZOのブランドイメージにぴったりだなと。個人的に見ても力強い印象で文字がきれいだなと思います。

「GANZO」という5文字を表現する上で難しかった点はありますか?

まず大文字にすると読みにくさがあり、あまり馴染みがなかったので小文字にさせていただきました。それから「g」と「z」の特徴を出して、クラシカルな中に動きを出しました。ただ動きを出し過ぎるとまとまりがなく、GANZOが持つ手仕事の丁寧さが伝えにくいと思って、そこは考慮しました。ブラックレターは直線が基本なんですが、線ごとに組み合わせて、書く時に線を構築していく感じですね。

名入れ用の刻印書体で
オリジナリティを演出

さらにオーダー用とは別に、既存商品にも刻印することができる「名入れ用」として、MIKITYPE氏が2種類の書体をセレクト。一つ目は書道のように伝統的な規則性がありながらも詩的で柔らかな印象を与える「Pollen」。二つ目は 12種類のスタイルで構成されたセリフ書体で、正統派かつ格調高い一方、現代的でシーンを選ばないデザイン性が特徴の「FS Benjamin」。MIKITYPE氏曰く、前者は手の動きのエッセンスを含んだ文字で自然と目に留まるもの。後者は適度に文字の空間があり、読みやすい仕上がりになるのだそう。どちらもMIKITYPE氏のお気に入りの書体からセレクトしたもので、GANZOのブランドイメージを引き立たせています。
オリジナリティを出したい方や大切な方へのプレゼントに押す書体としておすすめできる刻印が揃いました。

GANZOの刻印サービスに
新たな風を吹き込む

パターンオーダー用のロゴと書体に新たなバリエーションをもたらしたMIKITYPE氏。デジタル時代になっても手書きの文化や伝統を重んじて自分らしい文字を生み出す姿は、GANZOのモノづくりの姿勢と相通じるものがあります。今回のコラボレーションで誕生した刻印文字は、よりGANZOファンに喜んでいただけるだけでなく、GANZOの新たな可能性を感じさせるものとして一つ一つ刻まれていくに違いありません。

  • ※新デザインのロゴと書体は2019年7月よりGANZO本店にて展開
  • ※パターンオーダー実施店舗はGANZO本店 / 六本木店 / 大阪店の3店舗限定

MIKITYPE

1992年札幌生まれ。カリグラファー。武蔵野美術大学デザイン情報学科在学中に日本屈指のカリグラファー、三戸美奈子氏に師事。大学卒業後は、自身のテキスタイルデザインを用いて「N.ハリウッド」2016年春夏コレクションとコラボレーション。また個展「Drawing」も開催するなど精力的に活動。
主な活動実績にsacai 2016-17秋冬パリコレクション、Shiseido Global Campaign 2017、CoSTUME NATIONAL 2018秋冬など多岐にわたる。

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