GANZO'S METHODGANZO流
GANZOの革製品
最高の革製品とは、時を重ねて使い込むうちに、持ち主の個性と共にエイジングを重ね、日を追って味わい深く変化していくものだと、私達は考えます。
GANZOのこだわりは、革そのものの風合いを最大限に生かすための工夫として、多くの細かい作業の積み重ねの中に息づいています。
たとえば工程の一つである「本断ち」における一流の仕事とは、部位によってシボの出方が異なる大判の革の一枚一枚のシボを記憶し、それぞれの革からパーツを切り出しながら、ひとつの製品の中でシボが揃うように柄合わせをしていきます。
こういった細やかな配慮のもとで丁寧に作られた製品でなければ、永くお客様にお使いいただく中で、風合いを保つ事はできません。
ここでこれから紹介される、一つ一つの工程の中に、GANZOのモノづくりにおける創意工夫は介在し、それこそが何よりも私たちの品質を裏付けています。
GANZOの革製品ができるまで
本断ち | 黒塗り (コバ) | ネン引き |
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パーツごとに型紙に沿って革を断つ「本断ち」。コンマミリの誤差が完成品の美しさを損なうため、重ね切りはしません。 | コバを「色つけ」し、製品全体の表情を引き締めます。ボルドーカラーの専用染料を2度塗りします。簡単そうに見えて非常に繊細な作業です。 | パーツのコバの縁に「ネン引き」を施します。熟したコテで細かい線を入れることで、あくまでも装飾ですが、優美なアクセントになります。 |
組み立て(ミシン) | ヘリ返し | 磨き |
コバ磨きやネン引きをしたパーツを揃えたら、「ミシン」で組み立てていきます。ステッチを入れる場所やピッチには厳格なGANZOならではの規定があります。 | 糊引きした後、革のヘリを内側に折り返す「ヘリ返し」。これによって各パーツの強度を高めます。曲がりが出ないよう細心の注意を払います。 | 布糊をつけ、綿布でコバに「磨き」をかけます。コバにみるみるツヤが生まれ、面取り効果もあるため、手触りも格段によくなります。 |
GANZOの革製品の構造
(シンブライドルシリーズ)
GANZOのブライドルレザー
(J&Eセジュイック)
GANZOのブライドルレザーシリーズでは、英国J&Eセジュイック社のブライドルレザーを使用しています。
設立当初から馬具業界へ革を供給し、その後一世紀に渡り今日まで馬具用革をリードしているJ&Eセジュイック社は、騎手の安全を守るため高い耐久性・堅牢度を追求し作られ、英国皮革連盟の行う厳しい審査基準をクリアし続けています。
革が割れるのを防ぐため、吟面のみに密猟を含んだオイルを幾重にも塗り込むことで独特の表情になります。ブライドルレザー特有の白く粉吹いて見える「ブルーム」はその成分です。
「シンブライドル ファスナー付き束入れ」の構造
「シンブライドル ファスナー付き束入れ」のパーツ数はおよそ40弱にのぼります。
構造が複雑な本製品は、各パーツの寸法に精密さが求められ、パーツの裁断から細やかな作業が求められます。
各パーツの写真とともにGANZOのこだわりをご覧ください。
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カード収納部分は、段裏と呼ばれるパーツを
背に重ねながら、外側に見える部位には細物と
呼ばれる細長く切った革を貼ります。
構造上、どこも1枚革の部分がなくなり
堅牢性が増します。 -
有(あり)とは束入れが折れる部分です。
折りたたんだ際、むやみに膨らまず、
かといって折れすぎず、ほどよい曲線を描くのが
GANZO の特徴です。パーツの張り合わせや
採寸に職人技が表れます。 -
上のカード入れと構造や製法は同様です。
カード入れは中側からパーツごとに作っていき、
最後に外側をまとめ縫いをして、
ひとつに仕上げています。
単純そうだが手間がかかります。 -
表版のブライドルレザーは、極限まで薄く漉いてあり、しなやかさを引き出してします。
補強と型崩れを防ぐため、ブライドルレザーの裏側には皮革粉を固めた特殊芯材が貼り付けられます。 -
別名ファスナー袋と呼ばれ、
小銭入れの部分にあたります。
他社製品のほとんどが、内側には
ファブリックか合皮を使用していますが、
GANZO は牛革を使用しています
(シリーズにより異なります)。
本革でなければコバの磨き仕上げが
できないからです。 -
紙幣収納部分は笹マチ仕様です。
笹マチとは横から見るとV字型になった
マチのことで、折りたたみ性がよく
スマートに使えます。
その上、収納力にも富むので
使い勝手に優れています。 -
カード段の裏側には、
強度とアタリのよさを考えて、
オリジナルの色に染め上げた
牛革を採用しています。
見えない所にもGANZO の
精神が垣間見えます。