Vol.3【まだ見ぬ革を探す旅】
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明治時代以降、手工芸の職人が集まり、
現在もレザークラフト用品を扱う問屋が数多く存在する街、「蔵前(くらまえ)」
ちなみに蔵前とは江戸時代、幕府の米蔵があったことが由来だそうです。
古くから多くの人が集まるこの地域は、伝統的な技術を継承し、時代や流行に左右されないものづくりを行いながらも、まったく古さを感じさせない、伝統とモダンが融合した街だといえます。
さて、今回は現在職人が開発を進めている、「例の財布」に適した革を探すため、ここ蔵前へやって参りました。
前回の投稿から少し時間が空いてしまいましたので、例の財布とはなんぞやという方は、下記のブログをご覧ください!
蔵前駅から歩くこと10分少々。
行きつけの革屋に到着しました。
さっそく中に入ってみると、、、、
目に飛び込んでくるのは、所狭しと並べられた様々な種類の革のオンパレード。
淡い発色の小奇麗な革から、肉厚で育て甲斐のありそうなラギットな革まで、
どこから見ていいか分からないくらい、様々な種類が置いてあります。
次に右を見渡してみると、、、、
こちらも”味”が出そうな革ばかりですね。
本場イタリアのトスカーナ地方で鞣される植物タンニン系の革が並べられていました。
ブログを書いているスタッフとしては、この革独特の匂いがたまらなく好きです。
そして隣に目をやると、今度は牛のショルダー(肩)部位の革が置いてありました。
職人も目の色が変わり、どんどん前のめりになっていきます、、、
続いてこちらはフランスのカーフ(仔牛革)を中心にディスプレイされていました。
言わずもがなデュプイやアノネイなど、有名タンナーの革がずらーり。
普段は寡黙な職人ですが、『この革で鞄作ったら最高だろうなあ』と声が弾んでいます。
そしてどうやらこちらの革も気になってるようですね、、、
ラディカというイタリアのボックスカーフで、手染めによる色むらが特徴です。
非常にヴィンテージ感のある雰囲気のため、どんなエイジングをするのか期待が膨らむ革ですね。
っと、一通り見終わったところで、いくつか気になる革をピックアップ。
どれも魅力的な革ばかりで、非常に悩ましい限りです、、、、
今回職人が作ろうとしている財布は、今までのGANZOにはない新しい発想の形になります。
色味ももちろん大事ですが、なめしの違いによる革の特徴、部位、厚さ、繊維のきめ細かさなど細部まで考慮し、
“理想の形”を体現するのに最適な革を吟味していきます。
一概に”良い革を使えば良い財布が作れるか”というと、そうではありません。
財布の形によって向き不向きの革があり、曲げ伸ばしによる耐久性や、
プルアップ(折り曲げたり、引っ張ったりした時にオイルが繊維内を移動して表面の色が変わること)の具合など、
実際の使用シーンを想定しながら選ぶ必要があります。
今回見た革の中で、どうやら職人のイメージに近いものがあったようなので、
一旦サンプルを持ち帰り、検討を進めていきたいと思います。
皆様にお披露目できる日も近いかもしれません、、、!!
今後ともぜひブログをチェックして頂ければ幸いです。
よろしくお願い致します!
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