Vol.2 【理想の形を追い求めて】
- Post, Limited
- Omotesando
先日、GANZO本店のブログで書かせて頂いた新商品開発ミーティング。
さっそく職人がサンプルの制作に取り掛かっておりますので、
今回はその一部をちょこっとご紹介させて頂きます!
前回のブログをまだ読んでいないという方はぜひこちらをご覧ください↓
さてさて、何やら真剣な表情で裁断した革を見つめております。
独特な切り方をしていますが、いったいどのような形を目指しているのでしょうか、、、?
職人に聞いてみたところ、頭の中のイメージを実際の型に起こしながら組み立てているようで、
正直ブログを書いている筆者には想像が追いつかない、非常に高度な作業を行っているなと感じました、、!
通常であればデザインを起こしてから製作に取り掛かるのが一般的ですが、
“製作を行いながらデザインする”という真逆の発想は、さすが職人ならではの考え方だなと思います。
そして横に目を向けると、ここには同じような形に裁断した革が三つ。
んんーフォルムがまるっとして可愛い印象ですが、これが財布のどの部分にあたるのか、
はたまた本当に財布になるのか、謎が深まるばかりです。
続いて今度は、違うレザーでもサンプルを作っており、こちらは捻引きを行っている様子です。
ちなみに捻引きとは、熱したコテを使い、熱で痕をつける作業のことをいいます。
捻引きには、革小物の表情を引き締めると同時に、コバを引き締めて強度を上げる役割があります。
革によって捻の痕の入り具合も異なるため、微妙に温度を変えて調節したり、
画一的な線ではなく、グラデーションがかった立体的な線を引いていきます。
これがまた非常に難しいため、コテは職人自ら道具を組み合わせて制作し、
角度も微調節してカスタマイズするなど、オリジナルのものを使用しているのが特徴です。
続いてこちらは、革小物専用の特殊な糊を使い、革を圧着させる作業です。
職人が持っているこの箆を使い、糊を満遍なく塗っていきます。
糊が偏りすぎてもダメですし、かといって薄く塗りすぎても付かないため、とても繊細な作業になります。
勘の鋭い方だと、もしかするとお気づきかもしれませんが、
今回職人が作ろうとしている形は、通常の財布づくりの工程では欠かせない
“あるもの”を使わずに製作しようとしています。
この”あるもの”を使わないことによるメリットが非常に大きいのですが、
その分製作の工程が非常に複雑になり、職人の技量が試される形になります。
と、このように色々製作の過程をご紹介してきましたが、
正直この写真だけではどのような形になるのか、私自身も予想がつかなかったため、
職人に無理を言ってお願いし、いま考えている形のイメージを紙に起こせないか頼んでみました!
「正直、絵描くの苦手なんだよなー」と恥ずかしそうに笑いながらも、紙と鉛筆を取り出し、
かりかりとペンを走らせ、デッサンを始めた職人。
紙の上を滑る鉛筆の音が小気味好く、見ているこちらもワクワクしました。
しばらくすると、、、
「一応こんな感じかな。」と出来上がったデッサンを見せてくれました。
その写真がこちらです↓
見た瞬間思わず、「カッコイイ!!」と心の声が漏れてしまいました、、、。
今までGANZOでは様々な形の財布をリリースしてきましたが、このような斬新な形を見るのは初めてです。
あくまでこれは現段階での職人のイメージを具現化したものですが、
今後この理想の形を実現するため、改良を重ねながらサンプルの製作を進めていき、
この形にはどのような革が最適なのか、ただいま比較検討しているところです。
また何か進展がございましたらGANZO本店のブログにて発信させて頂きますので、
次の投稿を楽しみにお待ちいただければ幸いです。
今後ともよろしくお願い致します!!
GANZO本店
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