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コードバンのお手入れ 【番外編】

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突然ですが、皆さんこんなご経験はないでしょうか?

 

仕事帰り、最寄り駅の改札を出てしばらく歩いたところで

急に激しい雨が降り出してきた。

「いやー参ったな、、今日は天気予報でも雨が降るなんて言ってなかったのに」

 

近年よく騒がれるようになったゲリア豪雨。

その日はあいにく折りたたみ傘は持ち合わせていなかった。

 

「あともう少しで家に着くし、このまま突っ走るか」

 

使い込んだカバンを傘代わりに頭に抱え、家路を急いだ。

 

やっとの思いで着いたマイホーム。

玄関に佇む自分は全身びしょ濡れだった。

 

家のカギを取ろうとカバンを開けたそのとき、、、

 

「こ、コードヴァンの財布ぐぁぁぁぁあ」

 

大事に使っていたコードバンの財布が水に塗れて

見るに堪えない姿になっていた。。。。

 

 

 

と、前置きが長くなってしまいましたが、

コードバンが水に濡れてシミや水ぶくれになってしまうことありますよね。

 

でも皆さん。

「安心してください。見えづらくなりますよ」

ちょっと言い回しが古いですかね、、。すいません。

 

 

ということで今回は、

コードバンが水に濡れてしまった時の対処法をご紹介したいと思います。

 

通常、少し水が付いた程度であれば、乾いた布で拭いて頂き、

風通しの良いところで陰干しして頂ければ問題ありませんが、

今回は最悪の場合を想定して実験してみたいと思います。

 

※当社では下記のメンテナンス対応は実施しておりませんので

 あくまでご自身で行うセルフケアとしてお考えください。

 

それでは意を決してコードバンの財布に水をポツリ、、、

全体を濡らすために霧吹きでまんべんなく濡らしてみました。

そして待つこと1時間。

2時間、、、

あちゃー。やはり水ぶくれのような状態になりましたね。

 

なぜ水ぶくれのような状態になるかと言いますと、

コードバンの繊維は本来、上にニョキニョキしている状態で、

それを「グレージング」というメノウなどで革の表面を磨く作業を行い、

絡まっていない繊維を寝かしつけております。

 

つまり、水ぶくれは寝ていた繊維が起き上がっている状態ですので、

その起き上がった繊維を再び寝かしつけることが必要です。

 

ここでは簡単にその手順をご説明しますね。

 

 

①コードバン専用クリームを全体的に塗り込む。

以前コードバンのお手入れ方法でご紹介したように、指で塗ることをオススメします。

今回使用したクリームは

GANZO コードバンクリームです。

例に倣って、円を描くようにまんべんなく塗ってください。

 

②クリームを塗った財布を一日置いて寝かせておく。

上の写真のように、一日寝かせておくとクリームが革の中に浸透し、

余分なクリームだけ表面に残っている状態になります。

 

③革の表面をブラッシングした後、水牛の角で磨いていく。

と、言いたいところですが、まずご自宅で水牛の角を持っている方は

ほとんどいらっしゃらないかと思いますので、代わりにコレを使います。

そうです、スプーンです。

スプーンの腹の部分(丸みを帯びている面)で全体を磨いていきます。

 

いわゆる水牛の角やスプーンのような表面が滑らかなものでグレージングすると、

水によって起き上がった繊維と、周りの寝ている繊維のテイストが寄っていき、

水ぶくれのような跡が見えづらくなっていきます。

 

実際にこの手順で磨き、仕上げにブラッシングしたものが上の写真です。

やはりよく見ると水ぶくれの痕が少し残っていますが、だいぶ見えづらくなりました。

 

完全に痕を消すことは難しいですが、もし興味のある方は実践してみてください。

 

※当社では上記のメンテナンス対応は実施しておりませんので

あくまでご自身で行うセルフケアとしてお考えください。

 

 

GANZO本店

東京都渋谷区神宮前5-2-7

TEL 03-5774-6830

11:00 〜 20:00

 

 

 

 

 

 

 

 

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