革財布の色合いを楽しむなら

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皮から革へ



「皮」を「革」として使えるようにすることを、「革」を「柔らかく」するという漢字を組み合わせて鞣(なめし)と言います。原皮から、毛や汚れなどを落として、柔らかくしなやかな「革」へとなめしていく技術を持っている人のことを「タンナー」と呼びます。

なめしとは、「皮」のままでは腐敗したり、水分が抜けて硬くなってしまうので、コラーゲン繊維になめし剤を結合させて、「革」に変化させることです。現在使用されているなめし剤は、樹皮など植物由来の水溶性化合物である「タンニン」と、鉱物から精製される塩基性硫酸「クロム」が主流となっています。このなめし剤の調合をどのようにするかが、タンナーの特徴として表れます。

「クロム」なめしは、1カ月以上かかることもある「タンニン」なめしと比べると、行程が短くて済みます。また、表面にキズが付きにくく、加工がしやすいため、皮革製品の主流となっています。使い続けても、色も形も安定しているので、買った当初からの変化が少ないといえます。一方、「タンニン」なめしは、使い込むほどに味が出て、手に馴染んでくれます。「タンニン」でなめした着色していない革のことを、「ヌメ革」と呼びます。ですから「ヌメ革」の色は「タンニン」の色とも言えます。

「ヌメ革は」、他の革と比べてみても、繊維の目が細かくとても丈夫です。きちんとお手入れをしてあげることで、何十年と使用することも可能です。そして使い込むほどに、ツヤと色、風合いが増してきます。紫外線や手の熱、脂、摩擦などが加わることにより、薄い色が次第に深いアメ色へと変化していきます。色の染まり方は、持ち主の癖や、どのように使っているのかをダイレクトに反映するため、独自の風合いを楽しめるのが醍醐味です。長い年月をかけて「ヌメ革」を自分の手で育てる喜びは、格別なものがあります。



革財布で選びたい革の種類



長く使える革財布を選ぶには、作りが丁寧であることが前提となりますが、革の種類と特徴で選ぶと、後悔や失敗しないものを選ぶことができます。

「ブライドルレザー」は、革にロウを染み込ませることで、革の繊維を引き締めると同時に、密度と耐久性を高めています。ただ丈夫なだけではなく、染み込ませたロウがブルームという白い粉となって、表面に出てきます。このブルームが馴染んでくると、ギラギラしていない品のあるとてもキレイな光沢になります。馬のお尻の位置にある「コードバン」は、丈夫な革として有名な牛革と比べてみても、3倍以上の密度とキメの細かさがあります。耐久性に優れ、丈夫でツルツルとした独特な手触りが特徴です。馬一頭から採れる量が非常に少ないため、「革のダイヤモンド」や「革の王様」と呼ばれています。

「マルティーニ」は、革の本場、イタリア製の牛革のオイルドレザーで「コードバン」と並んで最高級の皮革です。丈夫でしっかりとしていて、「マルティーニ」の経年変化は、一度使うとクセになる人が多いと言われています。使い始めはマットな質感で光沢があまりないように感じますが、使い込むうちに光沢が増していきます。ブラウンはより深い色合いとなり、ベージュなどの淡い色は茶系の色合いへと変化していきます。

シンプルなデザインの財布であるほど、色合いや風合いが変わっていく経年変化を楽しめますし、お手入れをすることで、さらに愛着が湧き、大切に使うことができます。



革財布のメンテナンス



普段あまり気にならない角質やホコリも、少しずつ積もることで大きな汚れになります。お手入れは、何日かに一度カラ拭きをするようにしましょう。カラ拭きに使う布は、使い込まれた天然素材の白い男性下着が最適のようです。

硬貨の汚れや、ポイントカードの色が移ってしまったり、ボールペンのインクが付いてしまったら、消しゴムが役に立ちます。消しゴムの角の部分を使って、汚れにピンポイントで押し当てて、軽く往復させます。この時、消しゴムのカスが残らないように注意してください。

日々使用することで、どうしても付いてしまうキズには、保革クリームを少量布につけてから、丁寧に拭きましょう。一度にたくさん付けてしまわず、少しつけてみて、足りなければ足してあげるといった要領で行うといいでしょう。そしてカラ拭きをすることでキズが目立たなくなります。また、保革クリームは、革に栄養を与えてくれますので、ツヤがない時にも使って、ぜひ輝きを取り戻してください。

万が一濡れてしまった場合には、そのまま放置してしまうと、変色したり革が硬くなったりします。とは言え、濡れたままの状態で慌てて日干しをすると、濡れて変形したまま固まってしまうので、カラ拭きしてから日陰干しをしてください。忘れてはいけないのが、新品の状態での防水スプレーです。革財布は水にとても弱く、特に新品ならすぐにシミになってしまいます。防水スプレーをかけることで、これを防ぐと同時に、ケアで塗布するクリームの浸透を高める効果もあります。

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