長く愛用できる革製品の魅力

長く愛用できる革製品の魅力

魅力はエイジングによる変化


本物の革で作られたバッグや財布などの小物は、高価なものですが、その値段だけの価値があります。丈夫で耐久性があり、小まめに手入れをすれば10年程度かそれ以上長い期間使うことができます。使い続けることでエイジングと呼ばれる経年変化が起こり、新品のものとは違った味のある風合いになります。品質が一定ではないため製品にもそれぞれ個体差があり、エイジングにより異なった変化を見せるのが自然素材の魅力です。
それに対してフェイクレザーや合皮と呼ばれる合成皮革の製品は、安価で軽くキズもつきにくいので多くの製品に用いられています。ポリ塩化ビニールやポリウレタンなどの合成樹脂を布の表面に塗布した合皮は、技術が進んだことにより見た目は天然皮革に近くなっています。水をはじくため汚れがつきにくく、日常的なメンテナンスは必要ありません。また人工的に大量生産できるので、品質が均一で扱いやすいのも特徴の一つです。ただし耐久性には劣り、エイジングのような変化ではなく、表面にひびが入ったり?がれたりという劣化が起こります。伸びにくく蒸れやすいのは表面をコーティングしているためで、合皮の靴などは湿気の管理を怠ると臭いの原因になってしまいます。
天然皮革にはブライドルレザーやコードバンなどの種類があります。ブライドルレザーは約1000年前にイギリスで馬具専用の革として誕生しました。普通の牛革より硬くて丈夫にできているので加工が難しく、扱える工房も職人も多くはありません。その分型崩れしにくく、ブライドルレザーの財布を持っているだけで、きちんとした印象を与えることができます。一方、キングオブレザーの愛称を持つコードバンは、特別な農耕馬のお尻の部分を使っています。きめが細かくなめらかな上に、とても丈夫にできています。採取量が少なく入手も困難で、取引額が高くなることもあります。

国による特徴


革を最初に使ったのは50万年ほど前だと考えられています。その後ロシアや北欧などの寒い地域を中心に防寒具としてはもちろん呪術用や日用品などにも応用され発展していきました。皮はそのままでは硬くなったり腐敗してしまうので、煙で燻したり植物の汁などを使って加工します。この工程を「なめし」と言います。なお一般的になめし加工された「皮」のことを「革」と表記します。長い歴史を持つ革は、地域や民族の特性と関わりをもちながら独自の進歩を続けています。例えば南米やオセアニア、東南アジアでは、ワニやトカゲなどの革を利用する文化があります。特に多種多様な動物が生息しているオセアニア地方では、カンガルーやオーストリッチなどの高級素材が利用できるのも魅力の一つです。
アメリカでは牛肉が食用として大量に消費されるため、残った皮の二次利用としてなめし技術が発達しました。ネイティブアメリカンの作る魅力的な革の工芸品も有名ですが、加工前の「原皮」は世界中に輸出されています。イタリアンレザーはバッグや財布はもちろんインテリアにも使われていて、その柔らかさと美しい発色で有名です。なめしや染色技術と同様に、打ち出し、打印などの装飾技術も発展してきました。
世界的に有名なファッションブランドが数多く生まれたフランスでは、染料のあとに顔料を塗る独自の製法が発達しました。馬具や武器などを作る技術が継承されているのは、中世以降の歴史で多くの戦いを経験してきたことを物語っています。現在では世界中から上質の革がフランスに集まり、世界的に有名な「タンナー」と呼ばれる製革業者の数が多いのも特徴です。またイギリスでは鞍をはじめとする馬具を作るための耐久性が高いブライドルレザーが開発されました。高い技術を誇るタンナーも多く、丈夫な皮で作った紳士靴のブランドなどもあります。

本物を長く使うこと


革は繊維の間に湿気を溜めたり放出したりする調湿効果があります。そのため蒸れやすい靴の中を快適に保ってくれます。また可塑性にも優れており、履く人の足の形を維持しようとします。最初は固く感じても、長く履けば履くほど足に馴染んできます。鞄や財布などは太陽の光や手の脂を吸収し、色や光沢が変化して行きます。このエイジングにより、それぞれ違った風合いを見せるようになると、自分だけの鞄や財布としてより一層愛着がわきます。保温性も高く、コートや手袋などの防寒具としても利用されています。
物は買った時が一番キレイなのは言うまでもありません。使い続けるうちに破損や劣化が始まり、多くの場合は新しいものに買い替えなければなりません。しかしビジネスマンにとっての鞄や靴は必須アイテムであり、上質のものを身に付けているだけで相手に与える印象が違います。最近の合皮は、技術の進歩により見た目だけではなかなか本物との区別がつきませんが、本物志向の人が見ると、クオリティーの差を感じ取ることも可能です。確かに合皮の方が安く手入れも楽なため、使いやすいとも考えられます。でも寿命が短く頻繁に買い替えるぐらいなら、手入れをしながら本物を長く愛用する方がいいと考える人もいます。その方が革の魅力を楽しむこともでき、一つのものを大事に使う姿勢が仕事だけでなく生活にもいい影響を与えるとも考えられるからです。

RECRUIT