メンズ財布が物語るもの

メンズ財布が物語るもの


財布に込めた思い



普段何気なく使っている小物は、それを愛用している人の人柄や考え方、時にその人の社会的地位すら物語ることがあります。特に男性は、財布ひとつであっても銘柄や素材などがその人の代弁者となり得ます。メンズ仕様の財布は、レディース仕様のものと比べるとデザインや色が落ち着いたものが多いのですが、それだけに持つ人の個性を前面に押し出します。ある意味、持つ人の思いを体現しているといっても過言ではありません。逆にそういったことから、持つ人自身がその立ち位置にふさわしいものを選ばなければならないこともあります。

例えば、クリエイティブな仕事をしている人が派手なデザインのものを使っていても違和感はありませんが、要人と渡り合うような重々しい立場の人が仕事の場で派手すぎるデザインのものを使うのは、少々場違いな気がします。とはいえ、やはり自由な発想で使える今の時代の財布を、オンとオフで使い分けている人もいるかもしれません。

また、今のメンズ仕様のものの中には個性的なデザインのものも多くあり、女性が使っても全く違和感がないことがあるので、女性の中にはわざと男性用のものを購入する人もいます。こういった現状を踏まえていくと、性別で持ち物を固定するというのは時代遅れといえるのかもしれません。凜としたたたずまいの大人の女性が、いかにも質の良さそうな男物の財布をおもむろにバッグなどから取り出すというのも、なかなか素敵な光景です。



折るか折らないか



「春」と「張る」をかけて春に買う財布は縁起が良い、お金が折れてしまうから二つ折りよりも長方形のデザインを使った方が良い、お金が出ていかないようにお札は描かれている人物像の頭が下になるように入れるなど、財布に関する金運アップの噂は巷に溢れています。そういった話を信じる、信じないはともかくとして、それ以前に財布が収納される環境がその形状に関わってくるのは事実です。

女性でしたらバッグに入れる人が圧倒的と思われますが、男性は入れる場所も様々です。ジャケットの内ポケット、ズボンの後ろポケット、ポーチなど鞄類の中などが代表的ですが、どこに入れるにしても作りがシンプルでかさばりにくいものの方がスムーズに出し入れができます。

二つ折りのタイプは、折り重なっている分どうしても厚みが出ます。しかしながら、二つ折りタイプの魅力はなんといってもそのコンパクトさにあります。面積を取らない分、小さなポーチやあまり深さのないポケットにも収まります。ただし、これは財布がある程度のスリムさを保ってこそです。中に詰め込みすぎたものはポケットなどに入りにくいですし、最悪、収納部分が破損してしまうことさえあります。これは長方形のデザインにも同じことがいえます。

財布に限らず、大体においてメンズ仕様のものはレディースのものよりもしっかりとした作りをしていますが、だからこそ収納部分に余計な負担がかかることがあります。そうしたことを見越してか、前述したようにオンとオフを切り替えるためか、複数の財布を持ち、それぞれを使い分けている人も見かけます。その目的がどちらだとしても、お気に入りのものを長く愛用するためには、これはこれで良い方法といえるのではないでしょうか。

お札に折り目の付かない長方形のデザイン、コンパクトで収納場所を取らない二つ折りタイプ、自分の好みに合ったお気に入りを見つけて長く愛用すれば、財布もその気持ちに応えてくれるかもしれません。



お手入れが導き出すもの



社会人となって自分自身でお金を稼ぎ始めて年数が経つと、本物、上質なものが欲しくなるときがあります。そんなとき、本革の財布に目を向けるのも良いかもしれません。革製品は使い込むうちに独特の風合いが出てきます。そして風合いが出る頃には、持つ人の手にしっくりと馴染んでいます。

そうなるには、日頃のお手入れが物を言います。手入れの仕方はネットで調べることもできますし、購入した店でスタッフに手ほどきを受けるのも良いでしょう。そのための専用のクリームも販売されています。そのクリームを使って、時間があるときにじっくりと手を掛けることで風格を増し、持つ人の品格を高めてくれます。メンズ仕様の財布は、レディース仕様のものと比べてほとんどがシンプルなデザインになっています。無駄な装飾がないので、上質なものはかえってその良さが滲み出てきます。

革の光沢を目にしたとき、愛着が湧いてお手入れに熱が入るかもしれません。革製品は、ペットなどの動物や植物と同じように愛情を注げば注ぐほど、手を掛ければ掛けるほど、どんどん輝きを増し上質なものへと生まれ変わっていきます。そうなると、ますます愛着がわき、より一層大切に扱うようになる、そういった好循環に陥っていきます。そして、他のものと比較できないほどの風格が出てくる頃には、愛用者自身にもゆったりとした心の余裕が生まれているかもしれません。たかが財布のお手入れですが、そのお手入れは持ち主の心のお手入れでもあるのです。

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